近年、無添加石鹸と表示されている洗顔料やボディソープが増えてきました。身体や地球に優しいと言われる無添加石鹸。しかし、その一部には、実は化学物質(添加物)が含まれている商品もあります。
この記事では、無添加石鹸の基礎知識や、無添加石鹸に含まれている成分、合成洗剤との違いをご紹介します。
「無添加石鹸って本当に体にいいの?」と思っている読者の疑問を解決し、安心して使っていただける石鹸を探す手がかりを得てください。
無添加石鹸とは化学物質が含まれていない石鹸
無添加石鹸とは、化学物質などの成分が配合されていない石鹸のことをいいます。
しかし、すべての無添加石鹸に化学物質などの成分が配合されていない訳ではありません。なぜなら、香料や着色料、防腐剤など化学物質が含まれていても「無添加」と表示している石鹸があるからです。
日本には「無添加」という言葉についての基準が明確に定義されている法律がありません。そのため、防腐剤無添加、香料無添加といったいわゆる一部無添加のものでも「無添加石鹸」として販売され、中には「無添加」の部分だけを強調して販売しているものもあるのが現状です。
無添加石鹸の基本的な原料
無添加石鹸はどのような原料から作られているのでしょうか。
答えは、動植物の油脂と苛性ソーダ(または苛性カリ)です。
製法はいくつかあり時間も工程もさまざまですが、無添加石鹸は動植物の油脂に苛性ソーダや苛性カリなどの強いアルカリ性の成分を反応させることで作られてます。強いアルカリを反応させてできた石鹸は弱アルカリ性になります。それに対し、私たちの肌は弱酸性になるため「弱アルカリ性はお肌に悪いのでは?」と思われがちですが、弱アルカリ性の石鹸は、弱酸性の肌を程よく中和させ、汚れはしっかりと落としつつ、皮脂を余計に取り過ぎてしまうことがないので、安心して使えるものです。
成分を確認する方法
身体洗浄用の石鹸のパッケージには、必ず全成分が表示されています。化学物質が含まれているか、いないかは、成分表で確かめることができます。
<石鹸を示す成分>
・石ケン素地
・カリ石ケン素地
石鹸には上記2つの成分どちらかが成分表示されています。しかし、中には「オレイン酸Na」や「ラウリン酸K」、「ミリスチン酸K」とより原料由来に近い成分を明記していることもあります。
<化学物質>
・香料
・着色料(黄203、青1など)
・合成界面活性剤(ラウリル硫酸Na、ラウリル硫酸Kなど)
・防腐剤(メチルパラベン、EDTA-4Naなど)
・アルコール(エタノール)
上記のような成分は、比較的、石鹸に含まれていることの多い化学物質です。また、中には、香り付けに合成香料ではない、ラベンダーや柑橘系などの精油を配合した商品もありますが、天然由来の成分であってもお肌に合わない場合もあります。
無添加石鹸を使うメリット
皮脂汚れを適度に落としてくれる
弱アルカリ性である石鹸は、酸性の汚れをしっかりと落とす機能を持っています。身体における酸性の汚れは、皮脂、手あかなどがあります。石鹸は洗浄力に優れているため、こうした酸性の皮脂汚れを落とし、さっぱりとした洗い上がりを感じさせてくれます。
すすぎ残しが少ない
石鹸は水で薄まると界面活性としての作用が弱くなるという特徴があります。洗った後のすすぎで泡切れがよく感じるのはそのためで、石鹸は、洗い流すのが簡単で、ほとんど残らないのが特徴です。
ただし、洗い残しには注意が必要です。極端な肌トラブルを引き起こすことはありませんが、洗い残しにより、お肌のバリア機能に影響を与えてしまう可能性もあります。さっと流せるものではありますが、洗い残しがないよう心がけましょう。
石鹸とボディソープの違いとは
石鹸は界面活性剤の一種
石鹸は界面活性剤の一種です。界面活性剤とは、通常混ざり合うことのない水と油を混ぜ合わせる働きを持っています。石鹸も、界面活性剤の働きによってお肌や衣類汚れなどを落としているのです。
石鹸は、界面活性剤ではありますが、天然の動植物油脂から作られているので、自然由来なのでお肌に優しいのはもちろん、洗った後の排水も合成の界面活性剤に比べて、比較的早めに分解されるので、地球にも優しいといえるでしょう。
ボディソープには合成界面活性剤から作られるものも
一方のボディソープは、石鹸をベースに作られるものもあれば、合成の界面活性剤から作られる商品も多くあります。
主成分が合成界面活性剤のボディソープは、石鹸とは違い、弱アルカリ性タイプ、中性タイプ、弱酸性タイプと様々な種類のものがあります。
合成界面活性剤の中には、肌に刺激が強いとされる成分もあります。肌質に近い、中性タイプや弱酸性タイプのものであっても、洗い残しによって肌トラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。石鹸と同様に、しっかり洗い流すことを心がけましょう。
ミヨシ石鹸の「無添加 ボディソープ白いせっけん」
ミヨシ石鹸の「無添加 ボディソープ白いせっけん」は、固形石鹸の一部を取り入れた無添加のボディソープです。皮脂を取り過ぎることなくマイルドな洗い上がりで、固形石鹸の良さであるしっとり感を兼ね備えた商品です。
「安心して無添加石鹸を使ってみたいけど、ボディソープの方が手軽に使えそう」と思っている人は、一度試してみてはいかがでしょうか。