弱アルカリ性の石鹸で健やかな肌を保とう

弱アルカリ性の石鹸で健やかな肌を保とう

ニキビやくすみなどのトラブルを防ぎ、健やかな肌を保つため、日々の洗顔や入浴は欠かせないもの。毎日使う洗浄料は自分の肌にあったものにしたいけれど、ドラッグストアに行けば石鹸やボディソープ、洗顔ソープなど商品はたくさん。違いがよくわからないままなんとなくで選んでしまっていませんか。

今回は石鹸の性質と肌にやさしく汚れを落とすための洗い方について詳しくご紹介します。

弱アルカリ性の石鹸の特性を知り、ご自身や家族の肌に合った商品を選びましょう。

 

石鹸の特性

石鹸は弱アルカリ性

石鹸は弱アルカリ性です。pH値って、聞いたことがあるでしょうか?

ペーハー値と読み、水溶液の特性を表す、酸・アルカリの度合いについて数値で表したものです。酸性とアルカリ性の間に0~14の数値をあて、その真ん中となるpH7を中性とします。それより高い数値の場合はアルカリ性が、それよりも低い数値になると酸性が強くなることを表します。

石鹸は、天然の油脂に含まれる弱い酸である脂肪酸と、アルカリの苛性ソーダを反応させることで作られるため、弱アルカリ性の性質を持っています。

 

人間の肌は弱酸性

人間の肌には、肌を保護するためのベール「皮脂膜」があります。皮脂膜は弱酸性。皮脂腺から分泌された皮脂と、汗腺から分泌された汗が混ざりあい、天然の保護膜として外敵から肌や体を守っています。健康な肌のpH値は4.5~6.0 で、弱酸性が保たれています。弱アルカリ性である石鹸は、弱酸性の人間の肌に作用して汚れを落としています。

 

弱アルカリ性が汚れを落とす

弱アルカリ性は素材を痛めにくく、油脂やタンパク質の汚れを分解する力をもっています。たとえば料理や掃除で活躍する重曹も弱アルカリ性。日本各地の美肌効果があるとされる温泉も、弱アルカリ性であることが多いようです。

弱酸性の人間の肌に対し、弱アルカリ性の石鹸が働きかけることによって、古い角質や皮脂汚れを除去します。ザラザラ肌の原因でもある古い角質や毛穴の汚れなどのタンパク質を、弱アルカリ性の性質が分解して落とします。

肌の角質層に汚れが残ってしまうと、肌のターンオーバーの周期が乱れ、くすみやにきび等さまざまな肌トラブルを招くおそれがあります。弱アルカリ性の石鹸を活用して、肌をいつも清潔に保ちたいですね。


弱酸性と弱アルカリ性


人間の肌は弱酸性なのに、弱アルカリ性の石鹸で洗って大丈夫なのでしょうか。肌と同じ弱酸性のほうが良いのではないでしょうか。そのように疑問をもつ方もいるかもしれません。

私たち人間の肌には、アルカリ性のものが触れることで一時的に皮膚がアルカリ性に傾いても、これを弱酸性に戻す力があります。石鹸は弱アルカリ性ですが、洗った後にしっかりと水で洗い流すことで、皮膚の表面はほぼ中性近くまで戻ります。そして、酸性の皮脂や汗などが分泌されれば、自然に弱酸性に戻っていきます。

健康な肌であれば、アルカリ性の洗浄料で洗ったことで肌がアルカリ性に傾きっぱなしにはなりません。肌が弱酸性であるからといって、洗浄剤も弱酸性でなくても良いのです。

 

弱アルカリ性で“やさしく”洗おう

石鹸は酸性のものに出会うと中和する性質があります。皮脂や汗など、肌についている酸性の汚れを中和して落とした後、石鹸はその効果を弱めていくので、洗いすぎを防ぐことができるのです。

一方、合成界面活性剤の入った洗浄料は、水で薄まっても洗浄力を保つことが多く、念入りにすすがないと肌に残る可能性があります。洗浄成分がいつまでも残るということは、肌に本来必要な皮脂にも影響し、皮膚バリアが壊れてしまう心配も。

石鹸は水で薄まることでも洗浄力効果が弱まっていくので、すすぎは簡単。水で流してしまえばそれ以上皮脂を落とすことはありません。必要な皮脂まで落としてしまうことなく、やさしく洗えるのが弱アルカリ性の石鹸の良さ。さらに、肌荒れが気になる方や敏感肌の人であれば、お肌への影響がより少ない無添加石鹸をおすすめします。

 

正しく洗って健やかな肌を


洗い方にご注意を

弱アルカリ性の石鹸でもそれ以外の洗浄料でも、注意したいのは洗い方。洗浄剤にいくら気を使っても、皮膚をゴシゴシこするように洗ってしまえば素肌を傷めてしまいます。お肌はやさしく、泡でなでるように洗いましょう。また、洗浄後はよくすすぎ、泡が残ることがないように洗い流しましょう。

 

ポイントは“泡”

どのようなタイプの洗浄料であっても、しっかりと泡立てることがポイント。たっぷりときめ細かな泡は表面積が大きく、肌の汚れを吸着する力が高くなります。理想は手を逆さまにしても落ちないほどの濃密な泡。手をお椀のようにして差し水を繰り返し、空気も含ませながらたっぷり泡立ててみましょう。たっぷりの泡はすすぎの際の泡切れもよくなります。すすぎ残しによる肌荒れのトラブルも防げるでしょう。

 

洗浄後のケアも忘れずに

洗顔後や入浴後は、柔らかなタオルを肌にそっと押し当てるようにして水分を拭き取ります。ここでも肌をゴシゴシこすることのないよう気をつけましょう。また洗顔、入浴後はどんどん乾燥が進みます。化粧水や保湿クリームなどで保湿ケアすることも忘れずに。

石鹸の性質や、健康な肌のためのやさしい洗い方についてご紹介しました。弱アルカリ性の石鹸で肌を上手に洗って、トラブルのない健やかな肌を目指しましょう。