石鹸には殺菌効果はある?泡の力で感染症対策をしよう

石鹸には殺菌効果はある?泡の力で感染症対策をしよう

 

感染症対策にしっかり取り組みたい昨今。菌やウイルスから身体を守るため、手洗いの重要性が見直されていますよね。石鹸は昔から手洗いの必需品ですが、石鹸を使うことで殺菌はできているのでしょうか?

本記事で石鹸が菌やウイルス対策に有効な理由やそのしくみ、効果的な手洗いの方法をご紹介します。石鹸の力を有効に使って、感染症対策をしましょう。

 

石鹸で殺菌はできるの?

実は、「殺菌」という文字が表示されていない商品には、殺菌効果は期待できません。

しかし、石鹸は手の表面についた汚れや細菌、ウイルスを落としたり減らしたりする「除菌」が得意です。薬用の石鹸やハンドソープでなくても、丁寧に洗って、しっかりと洗い流すことで、手についた菌やウイルスの95%が取り除けるといわれています。爪ブラシ等も使用するとさらに除菌効果は高まります。

菌やウイルスを洗い流すことで自分の身体から取り除いてしまえば感染の機会を大幅に減らすことができますね。手洗いは簡単でありながら強力な感染症対策なのです。

 
殺菌・抗菌・除菌の違いとは?

石鹸やハンドソープ、ウエットティッシュなど、様々な商品に「殺菌」「抗菌」「除菌」「消毒」等という言葉を見かけます。これらには、どんな意味と違いがあるのでしょうか。

これらの言葉は、「菌を殺すもの」と、「菌を殺さないが増殖を抑えるもの(増殖抑制)」の2つに分けることができます。

さらに「殺菌」には、「消毒」、「滅菌」という分類もあります。「消毒」は、病原性のある細菌に対し、感染症を防げる程度まで殺すこと。一方、病原性に関わらずすべての微生物を殺すことを「減菌」といい、高圧水蒸気や強い消毒薬などで、微生物を完全に死滅させます。

「抗菌」は、表面にいる細菌の増殖を防ぐ、増殖抑制を意味しています。

また、「除菌」は、除菌効果のないものを使ったときと比べて、対象の表面(手指等の身体を含まない、硬い表面)から、生きた細菌数をある程度取り除くことを意味しています。

「抗菌」や「除菌」は、あくまで増えることを抑えるのであって、菌を殺すものではないということです。

つまり、抗菌加工されたものだからといって、細菌が全くいないわけではありません。また、よくある除菌ウェットティッシュは、電車の手すりや建物のドアノブなど、硬い物質の表面に効果が期待できそうです。

 

感染を予防するために

手洗いは洗い方に気をつけて

感染症対策に有効とされる手洗いですが、洗い方に大切なポイントがあります。

ウイルスを使った研究で、「手洗いなし」「流水のみで手洗い」「石鹸を使った手洗い」を比較し、手に付着していたウイルスをどれほど減らせるかを調べたものがあります。

それによると、「手洗いなし」のウイルス量を100万としたとき、「流水のみで手洗い」の場合、ウイルス量は100分の1に。「石鹸を使った手洗い」では100万分の1に減らすことができたそうです。

さらに、「10秒もみ洗いしたあと15秒水で洗い流す×2回」という洗い方では、「10秒もみ洗い+15秒すすぎ×1回」や「30秒もみ洗い+15秒すすぎ×1回」よりも効果が高く、手についたウイルス量を100万分の1程度まで減らすことができたといいます。

 

効果的な手洗いの手順

感染症対策に効果的とされる手洗いの手順をご紹介しましょう。

 

①水を腕の方までしっかりとつける

②石鹸を多めにつけ、手のひらでこすり合わせるようにして十分に泡立てる

③手の甲、指の間を洗う

④指先や爪の間を手のひらでこすりながら洗う

⑤各指の側面を1本ずつつかみねじるようにして洗う

⑥手首も洗う

⑦洗った順番と同じように流水で十分に洗い流す

出典:厚生労働省HP

 

洗い終わった後、水道の取っ手はペーパータオルやティッシュ等で閉じるようにしましょう。家族でもタオルの共有は避ける方が好ましいです。

前項でも紹介したとおり、石鹸を使用するのは泡立ててウイルスや菌を物理的に浮かせて洗い流す「除菌」のため。使用するのは殺菌用の石鹸でなくても大丈夫です。

石鹸が手元にない場合は、水だけであってもこのようにしっかりと丁寧に手を洗えば一定の効果があるでしょう。日頃から自分で石鹸を持ち歩くようにすると安心ですね。また手洗いができない状況では、アルコールを60%以上含有する除菌剤を使用することをおすすめします。

 

手荒れにもご注意を

感染症対策で頻繁に手洗いやアルコール消毒を行う機会の増えている今日この頃。手洗いに使う石鹸は、肌にやさしいものを使いたいものです。

手には肌のバリア機能でもある皮脂腺が少なく、乾燥などのダメージを直に受けがちです。皮脂膜に存在して皮膚を守っている常在菌のバランスが乱れると、そこから皮膚トラブルを起こす可能性もあります。

菌やウイルスはしっかり除菌しながら、お肌もいたわるなら、化学物質が一切含まれていない無添加石鹸がおすすめです。無添加石鹸はお肌への影響が少ないため、赤ちゃんからお年寄りまでご家族みんなで安心してお使いいただけます。

 

石鹸の泡パワーを有効に利用して感染症から自分や家族の身を守りましょう。