石ケン素地とは?無添加石鹸に含まれる成分について解説

石ケン素地とは?無添加石鹸に含まれる成分について解説

敏感肌の方だったり、小さいお子様がいる家庭では、ふだん使っている石鹸にどんな成分が入っているか気になりますよね。
肌に優しいといわれている無添加石鹸ですが、成分表を見てみると
石ケン素地」
と書かれています。ではこの石ケン素地とは何のことでしょうか。

このページでは石ケン素地に焦点を当て、具体的な成分や製造方法について説明していきます。

記事を読むことで石ケン素地をはじめとする無添加石鹸の成分を知ることができます。肌になるべく負担をかけない石鹸を探している人は、参考にしてみてくださいね。

また、最後には「石ケン素地」を国際基準に基づいて、原料由来の脂肪酸レベルまで分解した際の表記も紹介しております。

 ▼目次

1 石鹸についての基礎知識
  1-1 石ケン素地とは
  1-2 石鹸の製造方法

2 石鹸の成分とは
  2-1 脂肪酸と油脂
  2-2 アルカリ は2種類

3 成分表示を見てみよう
  3-1 メーカーや製品によって
      異なる成分表示
  3-2 国際基準の成分表示とは

 


【1】石鹸についての基礎知識

1-1 石ケン素地とは?

石ケン素地とは石鹸の成分のことで、洗浄成分のひとつです。
一般的に市販されている石鹸は、
石ケン素地に香料や着色料などを加えて作られています。

石ケン素地を化学的に言うと「高級脂肪酸のアルカリ塩」です。もう少し詳しく説明すると、主に炭素数が12から18の高級脂肪酸に、アルカリを加えて反応させてできたものになります。これには界面活性作用があり、汚れや脂を落とすのに役立ちます。この作用が、体の汚れを落とす石鹸としての働きをします。

 

1-2 石鹸の製造方法

石鹸の製造方法は大きく分けて三つあります。
①けん化法、
②中和法
③エステルけん化法
です。

 けん化法は、油脂にアルカリを加えて作ります。これは昔ながらの職人さんが作ってきた方法です。油脂を加熱してアルカリを混ぜながら反応させる製造方法です。

中和法は、脂肪酸にアルカリを加えて作る方法です。原料の油脂を精製・分解・蒸溜し、取り出した脂肪酸にアルカリを加えて、中和させて作ります。この方法は大量生産にも向いています。

また、エステルけん化法という方法もあります。これは油脂にメチルアルコールを反応させて脂肪メチルエステルを作り、これにアルカリを混ぜ、けん化して作る方法です。


▲けん化法の様子


【2】石鹸の成分とは

では石鹸はどんな成分からできているのでしょうか。順番にみていきましょう。

2-1 脂肪酸と油脂

石ケン素地は脂肪酸を原料として作られています。
石鹸に適した脂肪酸としてよく使われているものは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などです。これら脂肪酸の種類によって、洗浄力や泡立ちやすさなどが異なります。どのような石鹸を作るのか、石鹸の特徴に合わせてこれらの成分をいくつか組み合わせて使用します。

脂肪酸にはもっと色々な種類がありますが、先ほどもお話ししたように主に炭素数が12から18の脂肪酸を使います。なぜなら、炭素数10以下の脂肪酸では洗浄力が弱く、また20以上では水に溶けにくくなり、石鹸に適していないためです。

成分には、脂肪酸ではなく油脂が記載されているものもあります。
油脂は、牛脂、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、ツバキ種子油、馬油などです。実は、脂肪酸は油脂から取り出されます。そのため脂肪酸ではなく、もともとの原料である油脂の名前が書かれていることがあるのです。

 

2-2 アルカリは2種類

石鹸の原料となるアルカリには、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムがあります。通常どちらか一方を使いますが、使用するアルカリの種類によって出来上がる石ケン素地の特徴も異なります。 

水酸化ナトリウムは固形石鹸を作る際に使われます。成分欄には「石ケン素地」と表記されます。

水酸化カリウムが使われるのは、液体石鹸を作るときです。一般的に市販されているボディソープにはこちらが使われています。なぜなら水酸化カリウムを使った石鹸は水に非常に溶けやすい性質を持っているためです。成分欄には「カリ石ケン素地」と表記されます。

 

【3】成分表示を見てみよう

3-1 メーカーや製品によって
  異なる成分表記

成分表への表記のしかたは、メーカーや製品によって異なります。石ケン素地カリ石ケン素地と書かれているものもありますし、それぞれの脂肪酸や油脂の名前を細かく表記している商品もあります。

脂肪酸や油脂の名前でも、アルカリを加えて反応させる前の成分の名前が書かれていることもあります。例えば、脂肪酸ならラウリン酸やパルミチン酸、油脂ならパーム油などです。 

反対に、アルカリと反応したあとの成分の名前で書かれているものもあります。水酸化ナトリウムと反応させた後の成分であるラウリン酸Na(ナトリウム)、パーム核脂肪酸Na、水酸化カリウムと反応させた後のパルミチン酸K(カリウム)などです。

 

3-2 国際基準の成分表記とは

ミヨシ石鹸では、2019年秋から国際基準に基づいて原料由来の脂肪酸レベルまで分解して表記をしています。



これは、使用している原料を開示することでお客様により安心して使っていただきたいという思いからです。
そのため、「成分が変わったの?」というお声をいただくことがありますが、成分に変更はありません。
また、成分表記が変更になったことにより「無添加石鹸じゃなくなったの?」というご質問をいただくこともありますが、こちらも「無添加」と表記しているミヨシの無添加せっけんシリーズ製品は全て化学成分を含まない無添加石鹸の製品となっています。